森洋一-日本医師会会長候補が想い描くマニフェスト  

日本医師会会長選挙立候補にあたって

日本医師会会長選挙立候補にあたって
〜国民とともに医療の未来を創るために〜
平成24年2月11日
京都府医師会 会長  森 洋一

 今日のわが国が直面している問題は、少子高齢社会における医療・介護・福祉を含む社会保障の需要増大と少子化に伴う生産年齢層の減少による日本経済の減速と世界的な経済低迷による財源の縮小です。また、昨年3月11日に発生した東日本大震災からの一日も早い復興へ、医療界のみならず国を挙げての対応が求められており、我々も全力を傾注しなければなりません。

 現在の財政状況が継続するならば、10%程度の消費税増税では、社会保障の財源としては不十分であり、国民皆保険制度の維持は危機的な状況となります。そのためには、負担と給付のあり方の議論は、避けて通れない課題であり、今後も持続可能な皆保険制度を構築するためには、残すべきものと修正しなければならないポイントを十分に検討しなければなりません。

 野田政権では、「社会保障・税一体改革」と称して財源確保のため消費増税が議論されていますが、そこに示されている負担と給付の在り方については、自民党政権下の福田内閣において議論された「社会保障国民会議・最終報告」で示されたものと大きな違いはありません。つまり、今日のわが国の状況は、もはや政権が変わろうとも、社会保障を国家の基本として国是を定めるのか、市場経済を推進し社会保障を切り捨てるのか、いずれに舵を切るのかを決断しなければならない分岐点に立っているということであります。このような状況下で、国民が必要な医療・介護・福祉を必要な時に誰でもが受けられる皆保険制度、介護保険制度を堅持するために医師会がなすべきことはなにか?診療報酬の上げ下げの問題がすべてではなく、医療のあり方についての本質的な議論が必要です。多くの医師会員は、社会的共通資本として社会保障を論じ、医療と教育は聖域として守るべきであると考えていると思います。であるならば、我々もそれに相応しく国民の信頼を得て、理想に燃える理念を構築し、それを具現化する議論を展開しようではありませんか。

 あるべき医療の姿を語り、国民に安心を与える、そのような医師会にしてみたいと思われませんか?

 医療崩壊を防ぎ、国民の信頼に応えるためには、医師自らが意識を変えていかなければならないと思います。

 つまり、「医療を守る」から「医療の未来を創る」ということです。医師会の意識改革が必要です。「医療の専門家」であるからこそ、知りうるあるいは実践できる医療が当然あります。それを国民に示し、国民とともに医療の未来を創造しようではありませんか。この活動こそ、医師会に求められているものであり、全身全霊を捧げて国民からの負託に応えてこそ、国民からの信頼を得ることができます。「傍に信頼できる医師がいる」「いつでも安心・安全な医療を受けることができる」-このことこそ、国家の社会保障の根幹であると考えます。

 日本の医療は現在、世界一の評価を得ておりますが、一方で、日本は世界のどの国も未だ経験したことのない高齢社会を迎えます。今後、世界的に高齢化が進むことが避けられない中で、「先進国が向かうべき姿」、「最高に発達した文明国のあるべき姿」を世界に示すべきときです。

 日本人の叡智と日本人の共助の精神で必ず乗り越えられることを世界に示さなければならないと考えます。そのためには、国民とともに医療の未来を創るための強い日本医師会が必要です。

 全国の医師の皆様のご支援を心よりお願い申し上げます。